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2019/05/12

犬の学習と経験。

長い長いゴールデンウィークが終わり、夏のような天気が続き
犬も人も疲れが出る頃ですね~。
日常のリズムが崩れると云うのは、人だけでなく犬にとっても疲れるものです。
この週末はみなさまゆっくり過ごすことができたでしょうか?

さて。

いくらか前に、D-Buddyでは犬を叱るしつけを選択していないことについて書かせていただきました。
今日は犬の学習の仕組みについて簡単にお話をしてみたいと思います。

犬だけに限らず、私たち人間の学習も”繰り返しの経験”によって身についていきます。

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例えば・・・
ビニール袋がガサガサなる音を聞くとすっ飛んでくる犬は少なくありませんが、
それも繰り返しの経験により身につけられたものなのです。

買い物をしてきた袋、或いは、フードやオヤツを袋から取り出すときに
袋の音が鳴ります。
いつも美味しいものをもらえる前には、決まって同じ音がする!
ガサガサ音がすると、そのあとにはいつも美味しいものを食べられる!
と、犬は学習し、ガサガサ音が聞こえると飛んでくるようになります。


例えば・・・
吠える犬を叱っているのに吠えなくなるどころか、
ますます吠えるようになるというケースもよくありますが、
それも繰り返しの経験によって身につけられたものなのです。

退屈な時にワンワンと吠えると、大好きな飼い主さんが構ってくれる。
飼い主としては静かにして欲しい気持ちや、どうしたのかな?と云う気持ちで
犬に声を掛けたのだとしても、それをそのように犬が受け取るとは限りませんから
ただ単純に、吠えたら飼い主が来てくれた・構ってくれたと学習したりします。
これは、
飼い主さんが叱っているつもりでも犬は「構ってもらえた!」と学ぶ可能性がありますので
犬は吠え止むどころか飼い主の注目を得たいときには吠えればいいと学び、
積極的に吠えるようになっていってもおかしくないのです。

さて、ここで気を付けたいこと。

繰り返しの経験で学ぶなら、
芳しくない行動に対して繰り返し叱りつければいいのではないか?
叱って止めさせる方向にも持っていくことができるのではないか?

はい。
理論上は、犬の芳しくない行動に対して
毎回 タイミングを逃さずに 犬が不快と感じる結果を与えることができれば
その芳しくない行動を減らすことは可能です。
ですが、これは簡単なことではないのです。
自分が大事な電話をしている最中でも、お風呂やトイレに入っているときも、
どんなときでも犬が芳しくない行動をしたら 毎回必ず 、なのですから。

中途半端な叱り方・罰し方をしてしまうと効果はありません。
「コラッ!もう、ダメでしょ~!」では甘く、
犬がもう二度とそうしたくない、懲り懲りだと感じるくらいの刺激が必要なのです。
それを毎回。
犬が芳しくない行動をした直後にそうした経験をさせなければ意味がないので、
例えば留守番中に家の中をぐちゃぐちゃにしてしまうほどの悪戯があったとして
飼い主が帰宅してから「なにこれ!!!!」と勢いよく犬を叱りつけても
犬は悪戯を叱られたとは学びません。

それどころか、飼い主が帰ってくると嫌なことが起きると学びます。
『悪戯をしたのを本当はわかっていて、気まずそうな犬』と云うような動画が出回っていますが
あれらの動画に登場する犬は、
自分のしでかした悪戯を気まずく思ってしょぼくれた表情をしているのではないのです。




犬を強く何度も叱りつけると、
犬は自分が攻撃を受けていると感じます。
・・・過去の記事と繋がりますが・・・
繰り返し強く叱られることを経験した結果に犬は追い詰められたと感じ
いつも自分に攻撃をしてくる相手に対して反撃に出たりする。

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また異なるケースでは
専門用語で学習性無力感と呼ばれるものがあるのですが
何をやっても無駄だ・・・と犬が学び、
すべてを諦めて無表情に暗くなってしまう場合もあります。
(人間でいうところの鬱状態)
その様子を見て「おとなしくて良い犬だ」と言うのは、少し違いますよね。
これはあまりにも不健康な状態です。

犬と飼い主、犬と人はポジティブな関係であって欲しいと思います。
なんの表現も表情もない犬なら、ロボットと同じですしね。
イキイキとした輝いた眼で毎日を過ごして欲しいものです。

犬が良い行動を取ったときに「良い子ね!」と褒めてご褒美がもらえたら
犬は自分の行動と良い結果を結び付け、
その行動を学んでいきます。

D-Buddyのトレーナーは、犬の良い行動をどんどん褒めます。
芳しくない行動に対しては”反応を返さない” ”行動に対する結果を与えない”等の対処をし、
芳しくない行動をそれ以上増やさないようにし、
その行動以外の望ましい行動をしたときにどんどん褒めてトレーニングをおこなっています。

芳しくない行動はどうしても目についてしまいやすいものです。
それに対し、
良い行動と云うのは案外見過ごされて褒めてもらえることが少ないものです。
それではちょっと寂しいですね。

犬の良い部分をどんどん褒めてポジティブな関係を築きましょう☆
顔を合わせるたびに叱ってくる人と笑顔でたくさん褒めてくれる人、
みなさんはどちらの人と時間を共有したいですか?


私たちも犬たちも繰り返しの経験によって
物事を学習して身に着けていくのです。

ただし例外もある・・・!
たった一度の経験で学習をする場合があります。
それについてはまた他の機会に。





D-Buddyは、それぞれのペースとキャパシティを大切にしてます。

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2019/02/27

犬とD-Buddy。

愛犬が困った行動をとったとき、みなさんはどのような対応をしていますか?

先日も今日も、お客様とちょうどそんな話が話題にあがりましたので
今回のブログでそれに近いテーマとして皆様にお話しさせていただきます。


様々な目的で、様々な犬たちがD-Buddyを利用してくれています。
そのなかには爪切りが苦手な犬・シャンプーが苦手な犬もいますし、
飼い主さんと離れることが苦手な犬、他犬や他人が苦手な犬もいます。
その“苦手”の表現方法は犬によって異なり、
小さく震える犬もいれば、吠える犬、攻撃的な行動に訴える犬などがいます。

D-Buddyでは例え攻撃的な行動が出てしまう犬であっても、
犬を叱りつける方法は取りません。


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どんなに攻撃的な犬であっても生まれたときから攻撃的だったわけではなく、
そこに至るまでに経験してきた事柄が影響して
最終的に攻撃的な行動を身に着けるのです。

世の中に“絶対に噛みつかない犬”は存在しません。
窮鼠猫を噛むと云う諺があるように、
どんな犬であろうとも追い詰められれば犬歯を使うのです。
私たち人間も追い詰められ「このままではまずい!」となれば攻撃的な行動が出るはずです。
そのとき私たち人間は手足や道具を使って抗うかもしれませんが、
犬は犬歯を使うしかありませんから必然的に噛みつくと云う行動になります。

「普段はおとなしい犬が突然噛みついた!!」という話を耳にすることがありますが、
よくよく話を聞いていくと、ちっとも“突然”ではないことが殆どなのです。
それまでの間に犬はずっと我慢を重ね、
犬のコミュニケーションの主流となるボディランゲージによって
紳士的に優しく「それはやめて」とか「そういうことは不安なんだ」とか
「この状況はしんどいな」と私たち人間に伝えてくれているのですが、
犬のそうした小さなサインは拾い上げられることなく
・・・つまりは気持ちを無視され続け・・・
最終的に犬は追い詰められて遂に行動で訴えるしかなくなってしまう。
その様子を見て「突然噛みついた!」と。

犬のボディランゲージを知らずに、
意図せず犬を追い詰めてしまう場合もあるかもしれませんね。
それは仕方のないことです。
知らないことは誰にも出来ません!
(犬もまた然り)

「やめて」の意思表示は私たちの誰もが行う健康的な意思表示です。
しかし、犬の場合は「やめて」と意思表示をすると我慢を求められることがほとんどです。
一緒に生活していくうえで犬に受け入れてもらわねばならない事柄は当然ありますが、
そうした事柄を“我慢させる”のではなく“受け入れてもらう”と考えてみませんか。

爪切りもシャンプーも犬の世界には存在しないものです。
病院の診察もそうです。
犬にしてみると訳のわからない・理解できない事柄なので、
そこに不快感や恐怖を感じてもなんら不思議なことではありません。
そしてその感情が攻撃的な行動として現れても。

犬との幸せな日々の中で、
私たちは犬が人間とは異なる種族であることを忘れてしまいがちですが、
どんなに人間くさい動作を見せる犬であろうとも、
犬は毛皮を着た人間ではないのです。


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犬が可哀そうだから叱らない!と云う感情論ではなく、
私たちD-Buddyのトレーナーは犬の行動学や行動分析学、
脳科学などに基づいて犬を正しく扱うべきだと考えています。
そのため、当店のスタッフは全員犬を叱りつける方法を選んでいないのです。


例え攻撃的な素質を持って生まれてきてたとしても、
育つ環境次第でその芳しくない素質を眠らせておくことができます。
それとは逆に、攻撃的な素質を持たずに生まれてきた犬であっても、
その後の育つ環境次第で攻撃的な行動を見せるようにもなるのです。

犬の見せる行動にはそれ相応の理由がきちんと存在します。
犬の気持ちを汲み取り、無理強いではない方法で犬が物事を受け入れてくれるように
D-Buddyスタッフは日々努力をしています。



犬のボディランゲージが気になる方には、
当店オススメのボディランゲージの本が店頭にて取り扱いがございます♪



D-Buddyは、それぞれのペースとキャパシティを大切にしてます。

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2019/02/06

犬の目に映る世界。

みなさんは、犬の目に映っている世界についてどのくらいご存知ですか?
今回は犬に見える”色”について、ちょっとお話しさせていただきます。

犬が認識している色は黄色
そしてその中間色ということがわかっています。
(紫外線が見えているという説もあり!)

・・・と言われても、ピンと来ませんよね?

お写真を用意いたしましたっ!!!

どどーん☆


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<左> 私たちに見える通常の色の世界
<右> 犬たちが見ている色の世界

右側の写真は犬の色覚に近い写真が撮れるアプリで撮影したものです。
全体的に黄色味を帯びて、青が鮮明に写っていますね~。

もう少しわかりやすい写真をもう1パターン見てみましょう。

Socializationクラスで大活躍のオモチャを集めてみました。

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インスタ映えしそうなカラフルなオモチャも・・・
犬にはこのような色味に見えているのです。

↓↓↓↓↓
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犬のオモチャを買うときに、
青いオモチャなら例えば冬の芝生の上でも見つけやすくなりそうですね。

背景に合わせてオモチャの色を選んだり、
人間の着る洋服の色を考えてみたりするのも面白いかもしれません。


カウンセリングに来てくれたラニちゃん、ありがとうございました。

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ラニちゃんとごあいさつをしているのは、
一時預かりに来てくれたライムくん!

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ライムくんもラニちゃんも、雨の中来てくれてありがとう(*´ω`*)♪





D-Buddyは、それぞれのペースとキャパシティを大切にしてます。

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2019/01/09

おもちゃ七変化!


犬は新しいものが好きな動物です。
新しいオモチャを買ってくると大興奮する子も少なくないのではないでしょうか。

だからといって、いつもいつも新しいオモチャを与えられるわけではないですよね。

手持ちのオモチャも工夫次第で、
犬の好奇心をくすぐってくれるNEWアイテムに変身するのをご存知でしょうか!?


例えばこちら・・・
中が空洞になっているボールと、ラテックス製のたまごちゃん。
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↓↓↓

ボールの中にたまごちゃんを入れてしまうと、
たまごちゃんが取れそうで取れないっ!!!と思わず夢中になってしまう犬続出。
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例えば・・・
KONGとKONGタイヤの組み合わせ。
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↓↓↓

2パターンの簡易パズルに大変身!
タイヤの隙間にオヤツを詰めてあげると、
取れそうでなかなか取れない~っ!!と夢中になる犬続出。
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例えば・・・
ふわふわヌイグルミのくまさんと、ヌイグルミのスリッパの組み合わせ。
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↓↓↓


スリッパの中にくまさんが入ってしまっただけですが
小型犬にとっては立派なパズルに大変身っ。
こちらも夢中になってしまう犬続出です~。
スリッパの一番奥にオヤツを一粒入れておいてあげたら、
もっと夢中になってしまうことでしょうね(*´з`)♪
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みなさんもご自宅にあるオモチャを組み合わせて
犬の好奇心を刺激してみてあげてください。

※ボール・KONG各種・くまさんはD-Buddy店頭にて販売中



2019年1月23日(水)にD-Buddyでトリミングルーム社会化体験の
グループレッスンをおこないます。
参加頭数に限度はありますが、よろしければ皆様ご参加ください♪
↓↓↓
社会化体験レッスン

D-Buddyは、それぞれのペースとキャパシティを大切にしてます。

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